子どもが嫌いな野菜の代替案!

コラム

ご飯やパン、お肉や魚はもりもり食べてくれるのに、野菜類は嫌いで食べたくない。野菜は身体にいいから食べてほしいのに、、、子どもの野菜嫌いについての悩みは今も昔も少なくありません。野菜に含まれている栄養をバランス良くとって、好き嫌いせずに健康的に育ってほしいと思うのは親心というものですよね。
子どもが野菜嫌いになるには何点か理由があります。まず始めに考えられるのはシンプルに味が嫌い、というものではないでしょうか。ごはんやパンに多く含まれる炭水化物には甘味を感じ、お肉や魚に含まれるたんぱく質はうま味を感じます。しかし、野菜に含まれる酸味や苦味、渋味といった独特の味を子どもが「おいしい!」と、受け入れるのは難しいかもしれません。
 
そして、独特な香りや青臭さを感じることのある野菜の「香りの強さ」が苦手という子どもも多くいます。そして、歯が生えそろわない低年齢の子どもは、奥歯ですりつぶすことができず、繊維の多い野菜が食べにくいことから、次第に野菜嫌いに発展するケースもあります。 このように、子どもが野菜嫌いになってしまう理由は様々です。子どもの成長には個人差があり、好き嫌いもまた同じことで、野菜が苦手な子もいればどんな野菜も食べる子もいます。残念ながら一瞬で野菜を好きにすることはできません、今回は視点を変えて嫌いな野菜の代わりになるものを紹介したいと思います。


子どもが嫌う、代表的な野菜といえば、どんなものを想像されますか?データを見てみると、ピーマン、ナス、トマトといった健康効果は高いものの、やはり苦味や辛みの強い野菜が常時ランクインしています。大人が子どもの野菜嫌いを何とかなくしたいと思って無理やり食べさせると、かえってトラウマになってしまい、もっと嫌いになる可能性があります。
それでは、こういった苦手と思われがちな野菜の代わりになる食べ物は他にはないのでしょうか?
どんな食品にも言えますが、まったく同じ栄養価のものはありません。しかし、同じような栄養素のとれる食材を意識して食べることによって不足しがちな栄養を補っていくことができます。

◆ピーマン
緑黄色野菜の代表ともいえるピーマンは、βカロテン、ビタミンB2、ビタミンC、食物繊維といった栄養素が含まれています。おすすめの代替え野菜は、パプリカ。同じピーマンですが、完熟したパプリカは苦味や青臭さがなく、甘味が強いので緑のピーマンは食べることができなくても、赤や黄色のパプリカは食べられる、というお子さんも多いです。
◆ナス
ナスに含まれている特徴的な栄養素といえば、紫色の成分「アントシアニン」です。このアントシアニンはポリフェノールの一種で、抗酸化作用がありガン予防や動脈硬化を予防する働きがあります。そのアントシアニンを含む食品といえば赤シソや紫イモ、そしてブルーベリーなどがあります。あの食感がナスの食べにくさにつながっていることが多いようですが、紫イモを使ったデザートや、ヨーグルトスムージーにブルーベリーを加えてみると、簡単にアントシアニンを摂取することができます。
◆トマト
トマトが苦手な理由として挙げられるのが、種の周りのどろっとした食感と青臭さです。大きなトマトは苦手でもミニトマトなら食べられる場合もあるようです。そして、加工品も多くあるのでトマトピューレやケチャップなどを使ったメニューにすると良いですね。また、トマトの赤い色素成分は、「リコピン」と呼ばれ、スイカや柿にも含まれています。トマトの代わりにスイカや柿を食べても良いですね。
いかがでしたでしょうか、嫌いな野菜があっても無理に食べさせることはせず、同じような栄養が含まれている食材を食べることによって、上手に補っていけることがお分かりいただけたのではないでしょうか。子どもの野菜嫌いの多くは、成長して味覚が大人になれば克服できると言われています。それまでの間は、上手に苦手な野菜と付き合っていけると良いですね。


■この記事を書いた人
もりひろこ
栄養士・管理栄養士歴20年、特別養護老人ホーム、保育所給食、行政栄養士など幅広く経験しております。また、実際に調理現場にも長く立っておりました。多職種の方々と一緒に働いた経験をいかして活動中です。

カテゴリー一覧